2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧
★1 う〜んつまらない。政治の『パルタイ』論争からSFやオカルトに行くのは一見不思議ではあるが、心情や形而上的な深さを感じさせないツルツルした文体なので、面白くするにはモチーフを突飛にする必要があったのかな。『合成美女』でストーリーテリング・…
★2 ミニマムな描写に微に入り細を穿ち過ぎて苦痛。著者は「内向の世代」の代表人。政治もサブカルチャーもない2人か3人の世界。「ロカンタンはマロニエの根っこに嘔吐した」的な、実存の不安、存在論、という感じだろうか。★1としたいところだが、『妻隠…
★1 『性的人間』『セヴン〜』ともに性を通して閉塞した社会の超越に至る、というモチーフだが、痴漢が主題?だからどうしたが現代性であるし、大江の文体は神秘主義ではなく「小汚い」に留まっているように感じた。せいぜい体調の良い時に長編2作くらい読…
★3 満州パートなど、ドキュメンタリーの方が良いというテンプレ感がないではない。しかしヒヤリとする描写も多く、また「主体は官僚制や構造がつくる」構造主義的な表現は、新鮮に重苦しい。遠藤は「神なき日本人の罪意識を問う」としている。しかし、その…
★3 『アメリカひじき』は、ジブリで知られた『火垂るの墓』のパラレルワールドの続編にあたる(真剣)。もし、清太が生き残って、戦後社会を生きたら?日本語が酷く前半は酷い。ヒギンズが来日してからは面白い ※重要な小説は過去の読書メーターからインポ…
★3 下品でやり通せない貫多(下の中)も、ニューアカサブカルかぶれの芸術肌アピールの癖に郵便局で小さくまとまる日下部(中の中)も、これを前田敦子で映画化する軽薄なギョーカイ人(上の下)も、すべてが不快。そして3者は私の中にいる。 36 40 58 66 …
★3 「ああ、楽しかったさ。もう一つ本音を言わせてもらえば、もうちょっとだけ平穏でもよかったとも思うんだ。オレ的には普通に部室で遊んでいる温いインターバルが、あとほんの少し欲しかった」(194項)。 2004年に「部室モノ」への流れを決定づけた功績…
★3 小競り合いで終わった。作者は『デュラララ!!』の成田良悟。まあ可もなく不可もなく。意外と人権感覚のある山じい、大蔵省より腐りっぷりがヤバイ中央46室、大前田父に虐められる砕蜂など、良質な二次創作という枠。敵はスワンプマンと人類補完計画で…
★4 学生運動に挫折した鼠。その挫折感は手を変え品を変え、執拗に繰り返す宇宙的な虚無感(「不毛さ」,124)に埋もれて、ハートフィールドの井戸の底に沈んでいく。一言で、ドライな中島義道。 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20755637風の歌を聴け (講…
★2 ハルヒじゃねぇかぁあああ〜〜〜って感じの『涼宮夏子の冒険』でございます。「あたくし修道院へ入る」。松浦夏子は20歳の山の手型ご令嬢。言い寄ってくる男をとっかえひするけど、どいつも郊外のマイホームを夢見る器で、呆れて誰ともキスしない。ただの…