2000

29さつめ 野村美月『“文学少女”と月花を孕く水妖』 (ファミ通文庫)

★3 ビブリア論のために読んでる。キャラは互いの内面を知らないのに、読者には内面が覗ける。これはどうして気持ち良いんだろう。遠子先輩白ワンピースverとくすぐったいブヒリケーション成分多し。表紙の遠子先輩胸なさすぎ。小学生ヒットマン活躍しすぎ。…

27さつめ 野村美月『“文学少女”と穢名の天使』 (ファミ通文庫)

★2 ビブリア古書堂論のために読んでる。ななせを他二名と並ばせるための巻で、遠子先輩は後景。『慟哭の巡礼者』は先に読んでいて、こちらはかなり良かった。このシリーズは「天才なので嫉妬されて自殺までされるのでおれ鬱だわー」という設定が、ビブリア…

23さつめ 伊藤計劃『ハーモニー』

★4 「わたしを動かしている「何故」という感情は、どこに根拠を持つべきなのだろう。魂を擁護する言葉は、どこにあるのだろう。」 野蛮と規範の対立から、その調和へ。参照と再読なしではとても理解できない。「特定の報酬系に応えることに特化したジャンル…

24さつめ 一路晃司『お初の繭』角川書店

★2 審査員も言う通り序盤で大まかな真相は予想がつき単調。読ませるのは確かだが、主人公の知力を低くして主体性を低くしてページを水増ししているので半分でよかった。オチが少女虐待を楽しむことに終始しており★-1。 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/…

21さつめ 遠藤徹『姉飼』角川書店

★1 ちょっと分からないです。審査員も読み方を掴みかねるようで。点検読書。この人は避けようhttp://book.akahoshitakuya.com/cmt/21730080

22さつめ 宮ノ川顕『化身』角川書店

★2 気持ち悪い(褒め言葉だが私はエンリョ)。『化身』は最後植物になればな。「欲を叶えるために身体まで変化させても人間は満たされない」ということ? オチが不完全燃焼なので、そういった文学風の意図はないらしく、マリオみたいに次々と障害を乗り越え…

19さつめ 飴村行『粘膜人間』(角川ホラー文庫)

★4 舞台はソ連のような可能世界の戦前日本、人間と河童が併存している。登場人物たちが「殺す」「探す」「記憶を取り戻す」と、欠けているものを宣言するロールプレイングゲームのように分かりやすいエンタメの作り。何か読んだ人の糧になる私小説のような…

17さつめ 矢部嵩『紗央里ちゃんの家』 角川書店

★1 異常な語り手が、異常な状態に遭遇する。審査員が挙げている『ねじの回転』の主人公は、まだしもその「欠落感」に共感できて面白かったが・・・。序盤以降は娯楽的な欠落感がないです。ギャグを書くのに失敗したみたいな文体が計算なのか、狂気を演出し…

15さつめ 西尾維新『ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い』 (講談社文庫)

★2 「世界って、終わらないじゃないですか」(289) そうっすね。この言葉で逆上する敵なので安い。戯言遣いは哀川潤を親にして、想影真心に通過儀礼という仮構を作ってやる。狐は空虚。どうしても折り合えない存在はどうしても存在するので殺す。これは良…

16さつめ 泉和良『エレGY』(講談社BOX)

★2 知人が読んでいたので。「今すぐ、パンツ姿の写真を送ってください」。主人公の名前は泉和良。作者の名前は泉和良。巻末の著者紹介といい、話の淡々としているがゆえのリアルさといい、私小説風なところが評価されたのだと思う。そうだとすると、泉和良…

3さつめ 谷川流『涼宮ハルヒの暴走』(角川スニーカー文庫)

★3 「ああ、楽しかったさ。もう一つ本音を言わせてもらえば、もうちょっとだけ平穏でもよかったとも思うんだ。オレ的には普通に部室で遊んでいる温いインターバルが、あとほんの少し欲しかった」(194項)。 2004年に「部室モノ」への流れを決定づけた功績…