2012-07-24から1日間の記事一覧

5さつめ 遠藤周作『海と毒薬』 (新潮文庫)

★3 満州パートなど、ドキュメンタリーの方が良いというテンプレ感がないではない。しかしヒヤリとする描写も多く、また「主体は官僚制や構造がつくる」構造主義的な表現は、新鮮に重苦しい。遠藤は「神なき日本人の罪意識を問う」としている。しかし、その…

6さつめ 野坂昭如『アメリカひじき』

★3 『アメリカひじき』は、ジブリで知られた『火垂るの墓』のパラレルワールドの続編にあたる(真剣)。もし、清太が生き残って、戦後社会を生きたら?日本語が酷く前半は酷い。ヒギンズが来日してからは面白い ※重要な小説は過去の読書メーターからインポ…

7さつめ 西村賢太『苦役列車』(新潮社)

★3 下品でやり通せない貫多(下の中)も、ニューアカサブカルかぶれの芸術肌アピールの癖に郵便局で小さくまとまる日下部(中の中)も、これを前田敦子で映画化する軽薄なギョーカイ人(上の下)も、すべてが不快。そして3者は私の中にいる。 36 40 58 66 …